生活費のため、休業補償を先に支払ってもらう方法
基本的に損害賠償金は示談終了後に支払われます。そのため原則としては、休業補償も含め、示談終了後に支払われることになります。
しかし、ケガの治療のために、仕事を休まなければならない場合、当然、その期間の収入は途絶えてしまいます。そんな時、生活維持のために休業補償を示談に先だって支払ってもらうことができる場合もあります。
任意保険会社も、ケガの治療のために被害者が仕事を休まなければならない場合、その期間の収入を得ることができないので、被害者の生活維持のためには、休業補償の支払いが必要となる場合があることは分かっています。そのような時、加害者側の任意保険会社は休業補償を示談に先だって支払ってくれることがあります。
注意すべきこと
しかし、ここで注意をしなければならないのは、治療期間中に任意保険会社の行う休業損害の支払いは、任意保険会社の義務ではないということです。つまり、任意保険会社は治療期間中に休業損害の支払いをしなければならない訳ではなく、あくまでも被害者側の生活維持を目的としたサービスの一環として行っているのです。
治療期間中に休業損害の支払いを任意保険会社に依頼するためには、その旨を保険会社の担当者に伝え、会社員の場合は、休業損害証明書と事故前年度の給与所得の源泉徴収票を提出して支払いを求めます。ケガが重症の場合や、ケガが軽症であったとしても休業期間が比較的短期の場合は、スムーズに休業損害の内払いを受けることができるようです。
なお、自賠責保険にも内払いや仮渡金といった制度が準備されており、内払い金や仮渡金を請求することができます。
しかし、既に加害者側の任意保険会社が対応しているケースでは、被害者が自賠責保険に内払い金や仮渡金の請求を行うと、原則、加害者側の任意保険会社の対応がそれ以降できなくなります。そのため、任意保険会社から医療機関へ治療費などを直接支払ってもらっている場合に、自賠責保険へ被害者が内払い金や仮渡金の請求をすると、それ以降、そうした任意保険会社の対応ができなくなりますので注意が必要です。