手指の後遺障害慰謝料
手指の後遺障害としては、①欠損障害、②機能障害があります。それぞれの後遺障害等級と認定基準は以下のとおりです。
① 欠損障害
手指の欠損障害については、次のように後遺障害等級と認定基準が定められています。
【欠損障害に関する後遺障害等級と認定基準】
等級 | 後遺障害の内容(認定基準) |
---|---|
別表第2 3級5号 |
両手の手指の全部を失ったもの ※「手指を失ったもの」とは、おや指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失ったものを言います。具体的には、(1)手指を中手骨又は基節骨で切断するもの、(2) 近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)において、基節骨と中節骨とを切断したもの、を言います。 |
別表第2 6級8号 |
1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの |
別表第2 7級6号 |
1手のおや指を含み3の手指を失つたもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの |
別表第2 8級3号 |
1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの |
別表第2 9級12号 |
1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの |
別表第2 11級8号 |
1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの |
別表第2 12級9号 |
1手のこ指を失ったもの |
別表第2 13級7号 |
1手のおや指の指骨の一部を失ったもの ※「指骨の一部を失ったもの」とは、1指骨の一部を失っていることがエックス線写真等により確認できるものを言います。ただし、手指の末節骨の長さの1/2以上を失った場合は、「手指の用を廃したもの」に該当するので除かれます。 |
別表第2 14級6号 |
1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの |
後遺障害慰謝料(自賠責保険基準と弁護士基準)
等級 | 自賠責保険の慰謝料基準(自賠責保険金額) | 弁護士基準 |
---|---|---|
3級 | 829万円 (2219万円) | 1990万円 |
6級 | 498万円 (1296万円) | 1180万円 |
7級 | 409万円 (1051万円) | 1000万円 |
8級 | 324万円 (819万円) | 830万円 |
9級 | 245万円 (616万円) | 690万円 |
11級 | 135万円 (331万円) | 420万円 |
12級 | 93万円 (224万円) | 290万円 |
13級 | 57万円 (139万円) | 180万円 |
14級 | 32万円 (75万円) | 110万円 |
注)3級の自賠責保険金額2219万円のうち、829万円が後遺障害慰謝料に相当する額です。以下の級も同様の考え方です。 ご覧のように、弁護士基準の場合、後遺障害慰謝料だけで、自賠責保険金額の上限額に近い額となります。
② 機能障害
手指の機能障害については、次のように後遺障害等級と認定基準が定められています。
【機能障害に関する後遺障害等級と認定基準】
等級 | 後遺障害の内容(認定基準) |
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別表第2 4級6号 |
両手の手指の全部の用を廃したもの ※「手指の用を廃したもの」とは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すものを言います。 具体的には、(1) 手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの、(2) 中手指節関節又は近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの、(3)おや指については、橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されているもの、(4)手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失したものを言います。 |
別表第2 7級7号 |
1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの |
別表第2 8級4号 |
1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの |
別表第2 9級13号 |
1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの |
別表第2 10級7号 |
1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの |
別表第2 12級10号 |
1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの |
別表第2 13級6号 |
1手のこ指の用を廃したもの |
別表第2 14級7号 |
1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの ※「遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」とは、(1) 遠位指節間関節が強直したもの、(2)屈伸筋の損傷等原因が明らかなものであって、自動で屈伸ができないもの又はこれに近い状態にあるもの、のいずれかに該当するものを言います。 |
後遺障害慰謝料(自賠責保険基準と弁護士基準)
等級 | 自賠責保険の慰謝料基準(自賠責保険金額) | 弁護士基準 |
---|---|---|
4級 | 712万円 (1889万円) | 1670万円 |
7級 | 409万円 (1051万円) | 1000万円 |
8級 | 324万円 (819万円) | 830万円 |
9級 | 245万円 (616万円) | 690万円 |
10級 | 187万円 (461万円) | 550万円 |
12級 | 93万円 (224万円) | 290万円 |
13級 | 57万円 (139万円) | 180万円 |
14級 | 32万円 (75万円) | 110万円 |
注)4級の自賠責保険金額1889万円のうち、712万円が後遺障害慰謝料に相当する額です。以下の級も同様の考え方です。 ご覧のように、弁護士基準の場合、後遺障害慰謝料だけで、自賠責保険金額の上限額に近い額となります。