むち打ち [公開日]2020年5月27日[更新日]2021年10月15日

むち打ちで弁護士費用特約を利用するメリット

むち打ちになる原因で多いのが追突事故です。追突事故では、後ろからいきなり強い力がかかるため、頸部から背骨にかけて鞭のようにしなり頸椎が損傷することでむち打ちになってしまいます。

このような追突事故では、特に弁護士費用特約(弁護士特約)が効果を発揮します。

また、追突事故が原因でないとしても、交通事故でむち打ちになった被害者が弁護士費用特約を利用することには、大きなメリットがあります。

ここでは、むち打ちで弁護士費用特約を利用するメリットについて解説します。

1.追突事故で弁護士費用特約が有効な理由

追突事故では、基本的に被害者側の過失割合がゼロになるために、被害者の保険会社が示談交渉の代理をすることができません。

被害者の過失割合がゼロであれば、保険会社は保険金を支払う必要がなく、利害関係人とはならないため、被害者の代理として交渉すると非弁行為(弁護士法72条違反)になってしまうからです。

[参考記事]

交通事故の過失割合10対0!注意点と慰謝料・示談金の相場

そうなれば被害者は、保険会社の担当者と直接交渉しなければならず、一方的に専門的知識のないという不利な状況に陥ります。

そんな時に役に立つのが、弁護士費用特約です。

弁護士にならば、被害者の過失割合がゼロであっても、相手方と損害賠償などの示談交渉を依頼できます(逆に、弁護士なしでは被害者が直接交渉するしかありません)。
しかし、弁護士への依頼費用はしばしば高額になるため、依頼者にとっての経済的な負担が大きくなってしまう恐れがあります。

そこで、弁護士費用特約を利用すれば、交通事故時の弁護士費用を保険会社から支払ってもらうことができるのです。

2.むち打ちの被害者が弁護士費用特約を利用するメリット

むち打ちで弁護士費用特約を利用するメリットについて考えてみます。

(1) 費用を気にすることなく弁護士に依頼できる

弁護士費用特約を利用すると、通常、弁護士相談なら約10万円、着手金・報酬金・実費など事件処理費用であれば約300万円までを保険会社の負担とすることができます(金額は保険会社によって異なります)。

むち打ちでは弁護士費用がここまで高額になることはほとんどありませんので、むち打ちの場合に弁護士費用特約を利用すれば、弁護士費用を自己負担しなければならないことはまずないでしょう。

[参考記事]

弁護士費用特約とは?|誰が、いつ、どんなことを補償されるか

(2) むち打ちの慰謝料増額が期待できる

慰謝料の計算には3つの基準があり、弁護士に依頼すれば、その中でも最も高い「弁護士基準(裁判基準)」で交渉をし、慰謝料を増額できる可能性があります。

残念ながら、被害者本人が保険会社と交渉しても、この「弁護士基準」で慰謝料が支払われることは、まずありません。

弁護士は、裁判までも視野に入れて交渉します。

1件でも早く・多く処理をしたい保険会社は、通常、訴訟を嫌います。しかし、交通事故に精通した弁護士が、裁判も辞さない姿勢で交渉に臨めば、保険会社も裁判にならないよう弁護士基準での交渉に応じざるを得ません。

弁護士基準を拒否して結局裁判になっては時間がかかる上に、弁護士基準による支払いを命じる判決が出てしまうからです。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

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(3) 後遺障害等級認定の可能性が上がる

むち打ちで後遺障害が残ってしまった場合、後遺障害等級認定を受けることで、後遺障害部分の損害賠償を請求することが可能になります。

ただし、むち打ちは後遺障害等級の認定を受けることが難しく、非該当となってしまうことも珍しくはありません。

交通事故問題に精通している弁護士に依頼すれば、後遺障害等級認定についても多くの適切なアドバイスを受けることができます。

万一、非該当となってしまっても、弁護士がついていれば、異議申立てなど適切な不服申し立てにより、自賠責保険の判断を覆すことも可能です。

泉総合法律事務所でも、異議申立てにより、非該当から後遺障害等級14級の認定を受けることができた多くの事例があります。

[解決事例]

30代主婦、後遺症は初回非該当→異議申立にて14級獲得、示談金380万円超

また、むち打ちで認定される可能性がある後遺障害等級には12級と14級がありますが、この2つでは後遺障害慰謝料が100万円以上も違います(12級>14級)。

[参考記事]

むち打ちの後遺障害認定|12級・14級の違い

弁護士のサポートを受ければ「本当は12級の認定を受けられそうな症状なのに、資料が足りず14級認定されて慰謝料額が落ちてしまった」ということもなくなるでしょう。

(4) 手間が省け精神的に楽になる

保険会社との示談交渉など、手間がかかることは、すべて弁護士に任せてしまうことができます。

保険会社との交渉は、被害者にとって大きなストレスのはずです。
この交渉から解放されることで精神的に楽になり、怪我の治療に専念することができます。ストレスから解放されることで、治療の効果も上がることでしょう。

3.弁護士費用特約の使い方

では、弁護士費用特約は、どのように使えばいいのでしょうか?

(1) 交通事故に強い依頼したい弁護士を探す

最初に、交通事故問題精通した特にむち打ちに強い弁護士を探しましょう。
むち打ちに強い弁護士の探し方については、以下のコラムを是非参考にしてください。

[参考記事]

むち打ちに強い弁護士の特徴と選び方・費用

ネットを見ると、様々な法律事務所が広告を出しています。しかし、法律のフィールドは幅広く、弁護士にも得意不得意があります。
弁護士選びは慎重にすることをお勧めします。

(2) 弁護士費用特約利用について保険会社から承諾を得る

実際に弁護士に依頼する前に、必ず弁護士費用特約を利用したい旨を保険会社に伝え、承諾を得ておきます。
弁護士費用特約は、保険会社の承諾を得たうえでないと利用できない規定になっていることが多いからです。

弁護士費用特約が約款に記載してあれば、保険会社は、通常問題なく同意するでしょう。

(3) 実際に弁護士費用特約を使い依頼する

最後に、調べておいた弁護士に実際に相談し、弁護士費用特約を利用して依頼したいことを伝えます。

交通事故に精通したほとんどの法律事務所では、弁護士費用特約を利用することができます。

その際に、保険会社と担当者の名前・連絡先を伝えれば、弁護士が保険会社と連絡を取って手続きを進めてくれるでしょう。

4.弁護士費用特約を使用するタイミング

弁護士費用特約を使用するタイミングというのは特にありません。
「治療費打ち切りの打診をされた」「相手方保険会社から提示された賠償金額に納得がいかない」といったお悩みが生じたときにご相談いただき、依頼すべきと感じたら弁護士費用特約を使ってご依頼いただければいいのです。

ただ、事故後、早めに弁護士にご相談いただきたいことは確かです。
その理由は、交通事故では、事故後通院するところから様々な注意点があり、弁護士に依頼すれば、適時アドバイスを受けながら対応することができるからです。

例えば、適正な入通院慰謝料を獲得するには、通院頻度に気を付けなれなりません。整骨院や鍼灸院に通いたくなったら、主治医に同意を得ておく必要があります。

早期に弁護士に依頼すれば、適時に弁護士にアドバイスを受けることができ、対応を誤ることがありません。

5.まとめ

追突事故でむち打ちになったケースだけでなく、人身事故に遭ってしまったほとんどの被害者の方に大きなメリットをもたらすのが「弁護士費用特約」です。寧ろ、弁護士費用特約を使うデメリットはないと考えて良いでしょう。

泉総合法律事務所でも、もちろん弁護士費用特約を利用することができます。

当事務所では、むち打ちで後遺障害等級を獲得した事例や、異議申立てから非該当から14級に判断を覆した事例が数多くあります。
交通事故に精通した弁護士が、あなたの相談を心からお待ちしております。

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