むち打ちに強い弁護士の特徴と選び方・費用
もらい事故や追突事故で発症することが多いのが「むち打ち」ですが、適正な後遺障害等級の認定を受けることが難しいことでも知られています。
そこで重要なのが、弁護士の役割です。交通事故の損害賠償請求を依頼する弁護士が、むち打ちに強いか否かはとても大切なポイントになります。
今回は、追突事故やもらい事故でむち打ちになってしまった時に依頼すべき弁護士にスポットを当てて説明します。
1.むち打ちに強い弁護士の特徴
まずは、むち打ちに強い弁護士には、どのような特徴があるのかを説明しましょう。
(1) 後遺障害等級認定や不服申し立てに実績がある
むち打ちは、適正な後遺障害等級の認定を受けることが難しいため、後遺障害等級の申請や不服申し立てが重要になります。
そこで必要となるのが、交通事故に関する法律の知識だけでなく、後遺障害等級の認定や認定された後遺障害等級に対する不服申し立てについての十分な経験や実績です。
後遺障害等級の認定が重要な理由
後遺障害等級によって、後遺障害慰謝料の相場や逸失利益の算定で使用される労働能力喪失率が変わってくるため、適正な等級が認められなければ、損害賠償額が大きく違ってきます。
むち打ちで認められる後遺障害等級は、12級13号または14級9号ですが、多くの方は、14級9号と非該当との間にいると考えたほうがいいでしょう。
12級と14級では、弁護士基準による後遺障害慰謝料の相場が180万円も違いますが、非該当となれば、後遺障害慰謝料は1銭も貰えないことになります。そうならないためにも、後遺障害等級認定を熟知した実績ある弁護士への依頼がとても重要となります。
認定されなければ異議申し立て
もし、非該当となっても、異議申し立てという手段があります。
泉総合法律事務所でも、異議申し立てによって非該当から14級となり、最終的に依頼者が獲得した賠償額が、3倍以上となった事例があります。
[解決事例]
30代主婦、後遺症は初回非該当→異議申立にて14級獲得、示談金380万円超
むち打ちに強い弁護士であれば、異議申し立てによる非該当からの等級の認定や、等級の上昇といった数多くの実績があるでしょう。
[参考記事]
交通事故のむち打ちで後遺障害認定を受ける方法
(2) 後遺障害についての医学的知識がある
最初に、むち打ちに強い弁護士の特徴として後遺障害等級の認定や異議申し立てについての実績を挙げましたが、その実績は、むち打ち症についての医学的知識に裏付けされています。
後遺障害等級認定に医学的知識が必要な理由
適正な等級の認定が難しい理由の1つに、むち打ちが、自覚症状のみで、他覚症状(※)がないケースが多いことが挙げられます。事故との因果関係や症状の連続性・一貫性などから、医学的に説明することが難しいのです。
※他覚症状:被害者本人以外が客観的にとらえることのできる症状。たとえばレントゲンやMRI画像等から判断される症状。
そこで、必要となるのが、むち打ちに関する医学的知識です。
むち打ちに強い弁護士に医学的知識が必要な理由
後遺障害等級について申請を行う場合、提出する後遺障害診断書が、適正な認定を受けるために重要となりますが、この後遺障害診断書をチェックするにも、むち打ちについての医学的知識が必要となります。内容に不備があれば、医師に書き直しや追記、足りない検査をお願いしなければなりません。
また、異議申し立てに際しては、医療照会が必要なケースも多々あります。必然的に医学的知識が必要になるのです。
(3) 保険会社の手の内を熟知している
保険会社は、むち打ちの場合、だいたい3か月~6か月目になると「治療費を打ち切ります」と被害者に告知してきます。泉総合法律事務所でも、このようなご相談を受けることがあります。
こんな時、頼りになるのがむち打ちに強い弁護士です。むち打ちに強い弁護士の特徴の1つに、保険会社の様々な提示に対して柔軟な対応ができることが挙げられます。
泉総合法律事務所では、ある時点で治療費の支払いを打ち切るとした判断を覆し、治療期間の延長に成功した事例が多くあります。
[解決事例]
保険会社の治療費打ち切り判断を覆し期間延長に成功
むち打ちに強い弁護士は、この他にも、保険会社の一手も二手も先を読み、有効な対策をとることができるでしょう。
2.むち打ちに強い弁護士の選び方
では、むち打ちに強い弁護士は、どこにいるのでしょうか?どうやって選べばよいのでしょうか?
(1) インターネットで探す
ネット上には、数多くの弁護士事務所が広告を出し、自分たちの事務所についてアピールしています。
解決事例が載っていれば、むち打ちについての解決事例を探してみましょう。治療期間の延長に成功したり、非該当から認定を受けられた事例や等級が上昇した事例など、むち打ちに関係する実績が多数あれば、探している弁護士である可能性は高いです。
【参考】解決事例一覧
(2) 友人・知人に紹介してもらう
友人や知人が交通事故の怪我で弁護士に依頼していたら、話を聞いてみるのもいいでしょう。
後遺障害等級認定について、おすすめの弁護士がいれば、会ってみる価値はあるでしょう。
(3) 無料相談弁護士相談を利用する
行政機関が行う弁護士の無料相談を利用するのも一つの選択肢です。ただし、通常その場で依頼することはできず、弁護士が提供するのは、一般なアドバイスに留まります。
(4) 最後は自分の目で確かめる
情報収集が終わっても、直ぐに依頼する必要はありません。まずは、相談してみてください。
初回の相談を無料で行っている弁護士事務所は多数あります。是非利用してみましょう。
その際に参考にしていただきたいのが以下の4点です。
- コミュニケーションが取りやすいか
- 説明がわかりやすいか
- 解決について複数の選択肢を示してくれるか
- 費用についての明朗な説明があるか
① コミュニケーションが取りやすいか
ネット上で事務所や弁護士を探した場合、実績については、情報を収集できているかもしれません。しかし、弁護士も人であることに変わりありません。当然、相談者との相性の良し悪しもあります。
もし、相性が悪く途中で解約すれば、それまでの費用や時間が無駄になってしまいます。
② 説明がわかりやすいか
説明の分かりやすさも大切なポイントです。横柄な態度や頭ごなしの物言いでは、理解できるものも理解できません。
大切なポイントが分かりづらければ、依頼者にとって真のサポートとは言えません。
③ 解決について複数の選択肢を示してくれるか
交通事故の解決には、複数の解決策があります。示談がうまくいかなければ、時間とコストがかかりますが裁判や調停、ADRといった手段もあります。
また、先述した通り、認定された後遺障害等級に対する異議申し立てにもいくつかの手段があります。
依頼者の意見を聞きながら臨機応変に適切な手段をとってくれる弁護士を選びましょう。
④ 費用についての明朗な説明があるか
弁護士に依頼する時に、誰もが気になるのがその費用でしょう。
弁護士費用で肝心なのは、高いか安いかではなく、しっかりとした説明があるかどうかです。手数料名目で様々な費用を取ったりする場合もありますので、費用について確認し、不明な点があれば追加で確認しましょう。
3.交通事故にかかる弁護士費用
最後に、交通事故の事案を弁護士に依頼すると、いくらくらいかかるのか、目安と最近の傾向について説明しておきましょう。
(1) 現在も踏襲される旧弁護士報酬基準
現在は廃止されましたが、2004年まで、日本弁護士連合会が弁護士報酬について基準を設けており、現在もそれを踏襲している弁護士事務所が多々あります。
一つの目安として参考にしてください。
法律相談 | 30分ごとに | 5000円以上2万5000円以下の範囲 | |
---|---|---|---|
日当 | 半日(往復2時間を超え4時間まで) | 3万円以上5万円以下 | |
1日(往復4時間を超える場合) | 5万円以上10万円以下 | ||
調停・示談交渉 | 事件の経済的な利益の額 | 着手金※1 | 報酬金※1 |
300万円以下の場合 | 経済的利益の8% | 経済的利益の16% | |
300万円を超え 3000 万円以下の場合 | 経済的利益の5%+9万円 | 経済的利益の10%+18万円 | |
3000万円を超え 3億円以下の場合 | 経済的利益の3%+69万円 | 経済的利益の6%+138万円 | |
3億円を超える場合 | 経済的利益の2%+369万円 | 経済的利益の4%+738万円 | |
訴訟事件 | 事件の経済的な利益の額 | 着手金※2 | 報酬金※2 |
300万円以下の場合 | 経済的利益の8% | 経済的利益の16% | |
300万円を超え3000万円以下の場合 | 経済的利益の5%+9万円 | 経済的利益の10%+18 万円 | |
3000万円を超え3億円以下の場合 | 経済的利益の3%+69万円 | 経済的利益の6%+138万円 | |
3億円を超える場合 | >経済的利益の2%+369万円 | 経済的利益の4%+738万円 |
※1事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
※2それぞれの額を3分の2に減額することができる。
示談交渉から調停、示談交渉または調停から訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、訴訟事件の額の2分の1
※3 調停・示談交渉、訴訟事件とも、着手金の最低額は、10万円
※4経済的利益:弁護士が介入することで得ることができた利益
(2) 弁護士報酬の最近の傾向
①相談が無料化になる傾向
最近では、初回相談や相談自体の無料化、依頼すれば相談料を無料にするといった事務所が増えています。
ちなみに、泉総合法律事務所でも、初回は無料でご相談いただくことができます。
②着手金も無料化する事務所が増えている
相談料だけでなく、着手金の無料化も進んでいます。
着手金とは、結果にかかわらず、弁護士に事案に対応してもらうための費用です。
こちらについても、泉総合法律事務所では、弁護士費用特約がない場合、無料とさせていただいております。
③報酬金
対して、報酬金とは、結果に応じて支払う成功報酬です。
ネット上では、獲得した金額×10%+20万円というのが大勢のようですが、泉総合法律事務所では、弁護士費用特約がない場合、獲得金額の11%(税込)とさせていただいております(ただし、最低金額は11万円(税込))。
(3) 弁護士費用特約を使って治療に専念
むち打ちになってしまっても、弁護士費用特約を利用すれば、安心して治療に専念することができます。
弁護士費用特約とは、加入している保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約で、最近では、多くの任意保険に付帯しています。この特約が付帯していれば、弁護士費用と実費について300万円までが特約から支払われることになります。ただし、事前に、保険会社の了解が必要となります。
ご自身の保険に付帯していないか是非確かめてみてください。
[参考記事]
弁護士費用特約とは?|誰が、いつ、どんなことを補償されるか
4.まとめ
今回は、むち打ちに強い弁護士について説明しました。泉総合法律事務所でも、むち打ちについての解決事例は多数あり、むち打ちに強い弁護士を揃えていると自負しています。
もし、交通事故でむち打ちとなり、後遺障害等級の認定や治療費打ち切りなどでお困りであれば、是非一度、泉総合法律事務所にご相談ください。
多くの解決実績を誇る弁護士が、むち打に被害者のために、誠心誠意尽力いたします。