後遺障害 [公開日]2018年2月20日[更新日]2021年12月8日

交通事故の後遺障害診断書|書き方のポイント・記入例

交通事故により受傷し、治療を受けても症状が治りきらなかった場合には、医師から「症状固定」の診断を受け、損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)に「後遺障害」の申請をすることになります。

後遺障害と認定されれば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益(後遺障害により将来得られなくなった収入のこと)を賠償金として受け取ることができます。

この申請を行うに際して必ず必要になる書類が、後遺障害診断書です。
後遺障害等級の審査は原則的には書面主義であるため、書面上で後遺障害の残存が認められるかどうかは非常に重要です。

では、後遺障害診断書にはどういった情報を記載してもらえばよいのでしょうか。書き方のポイントはあるのでしょうか。

1.後遺障害診断書とは?

冒頭にも述べましたが、交通事故による怪我が完治せず、後遺症が残ってしまった場合、損害保険料率算出機構にその後遺症を「後遺障害」と認めてもらうことで、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益を加害者側に請求できます。

[参考記事]

後遺障害等級とは?認定機関による認定方法とその流れ

後遺障害はその症状の重さに応じて1~14等級に分類されており、より重い等級の後遺障害が認められれば、受け取れる慰謝料や逸失利益も大きくなります。

申請された後遺症が何等級に認定されるのか、そもそも後遺障害と認められるのか、その審査を行う際に重要視される書類の一つが「後遺障害診断書」なのです。

後遺障害認定は書面審査によるため、後遺障害診断書を始めとした交通事故や治療に関する資料が必要不可欠です(顔の傷がある場合の外防醜状などは、例外的に被害者との直接面談が行われます)。

[参考記事]

被害者請求(後遺障害申請)で必要となる書類

後遺障害診断書の用紙どこでもらうのか分からないという方は多いと思いますが、病院が用意してあるケースもありますし、インターネットで検索をすれば簡単に入手することが可能です。

なお、医師が診断書の作成を拒否する・書いてくれない場合の対処方法は、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

医師が後遺障害診断書を書いてくれない場合の対応策

2.後遺障害診断書の書式・記入例

後遺障害診断書は、医師に作成をお願いします。

「診断書」は、医師しか作成することができません。
接骨院、整骨院の先生は医師ではないため、「後遺障害診断書」を含めた診断書などの書面を書くことはできません。
(よって、交通事故後の通院は整形外科などの病院で行う必要があります。)

また、医師であっても、一定期間通院して経過を診た被害者の診断書以外は書くことはできないでしょう。作成には、ある程度の期間は病院での治療を続けることが不可欠です。

交通事故後遺障害・死亡慰謝料:後遺障害診断書

後遺障害診断書は被害者が直接作成するものではないですが、作成に向けて医師に伝えるべきことは多くありますし、完成した後遺障害診断書は入念にチェックする必要があります。

なお、医師に後遺障害診断書の作成を依頼すると、多くの場合、その日のうちには仕上がりません。
ですので、患者側の要望を医師に伝えたとしても、それがきちんと診断書に記載されているかは、実際に完成するまで全く分かりません。

実際に手渡されたら、大事な情報がきちんと記載されているかを確認し、もし不足していれば、医師に書き直しや訂正・追記などを求めましょう。

特に気を付けるべき点は以下の2つです。

①自覚症状の記載

1つ目は、自覚症状をきちんと漏れなく伝え、その内容を後遺障害診断書の「自覚症状」の欄に記載してもらうことです。

自賠責保険では、後遺障害診断書の自覚症状欄に記載されていない症状については、そもそも審査の対象にしてくれない可能性があります。

また、たとえ傷病名欄にそれなりの怪我の名前があり、審査の対象としてくれたとしても、自覚症状欄にその傷病名に相応しい症状の記載がなければ、「症状がない程度にまで回復したのだろう」と思われてしまうでしょう。

損害を受けたことについては、被害者側に証明する責任がありますので、現実に症状があるのであれば、「肩を動かすと痛みがある」「首の痺れを毎日感じる」など、自覚症状は具体的にしっかり記載してもらうことが大切です。

②自覚症状を裏付ける所見

自覚症状を裏付ける所見があるのなら、その所見を記載してもらいましょう。
場合によっては、医師と相談のうえ、必要な検査を受けるべきです。

例えば、MRIやレントゲン画像に基づいた所見を記載してもらったり、必要な検査が未実施であれば撮影してもらったりしたうえで、所見の有無を確認してもらうことなどが挙げられます。

他にも、むち打ち受傷後の後遺症の症状を診る方法として、医師が患者の首を動かして、上肢に痛みや痺れが出るかをテストする方法があります。必要に応じてこれらの検査を行ってもらうとよいでしょう。

また、関節が脱臼したり、骨折を負ったりした場合、ケガをしていない側(健康な側)の関節よりも、ケガをした側の関節の動く範囲が狭くなっているケースでは、「可動域制限」という後遺障害が認定される可能性があります。
したがって、医師に可動域を計測してもらい、後遺障害診断書に記載してもらいましょう。

さらに、頭部に外傷を負い、受傷直後に意識レベルが下がっていたなどの症状があれば、MRI画像やCT画像で脳挫傷痕があるかどうかを診てもらうべきです。
その所見がある場合には、必ず後遺障害診断書に記載してもらいましょう。

3.後遺障害診断書の作成費用

後遺障害診断書作成の料金は、病院によって異なりますが、5,000円〜10,000円以内に収まることが多いでしょう。

相手方保険会社に手続を任せる、いわゆる「事前認定」の場合には、相手方保険会社が基本的には費用を負担してくれます。

一方、被害者側にて手続を行う「被害者請求」の場合、基本的には被害者自身がその料金を一時的に支払うことになります。

ただし、後遺障害診断書代を自己負担して被害者請求をした場合でも、後遺障害等級が認定されれば、その後相手方保険会社がそれら診断書代の賠償を認めてくれることがほとんどです。

4.後遺障害診断書の相談も泉総合法律事務所へ

後遺障害診断書の内容を漏れなくチェックするためには医学的な知識が必要となるため、一般の方の知識で対応するのは非常に難しいと言えます。また、そもそも見方・読み方が分からないという場合もあります。

その点、弁護士へ依頼すれば、弁護士が後遺障害診断書の内容をチェックし、その内容に不備があれば、医師に書き直しや追記を依頼したり、必要な検査を提案したりできます。

泉総合法律事務所には、交通事故問題を解決する中で培った豊富な経験、および専門的な医学的知識、これらを持ち合わせた弁護士が多数在籍しております。
交通事故被害でお困りの際には、是非とも当事務所の弁護士にご相談ください。

初回無料相談を実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

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