交通事故弁護士 [公開日]2018年3月9日[更新日]2023年11月29日

医者が冷たい場合に転院するメリットとデメリット|交通事故被害者の悩み

医者が冷たい!?交通事故被害者の悩み〜転院のメリットとデメリット

交通事故で受傷した場合、かかる病院や診てもらう医師はどこでも同じ、と思っていませんか?

実は、どこの病院に通院するか、どの医師に診てもらうかは、治療を進めていくうえで非常に重要です。
それだけでなく、後遺障害等級認定の場面や、損害賠償額について相手方と折り合いがつかず訴訟になった場合などでも、病院や医師選びは結果に大きな影響を与えることになります。

ここでは、交通事故で受傷した場合、どのように病院を選んだらよいのか、通院している病院の対応に疑問を感じた場合にどうすべきか、 といった点につきご説明したいと思います。

1.交通事故被害者に冷たい医師がいる?

「交通事故で受傷して病院に行ったが、医師の対応が冷たかった」「最初はやさしかったのに、途中から急に態度が変わって冷たくなった」といった話を耳にすることがあります。

その医師のもともとの性格というケースもあるかもしれませんが、交通事故被害者にかぎって冷たいというのであれば、何か理由があるかもしれません。

実は、交通事故被害者の場合には、通常の患者の場合にはない手間がかかります。
そのため、医師がそれを面倒だと感じ、冷たい態度になっていることが考えられます。

(1) 保険会社への対応が面倒

交通事故被害者が通院する場合、相手方保険会社が直接病院に治療費などを支払う「一括対応」がなされることが多いと思います。

治療費などの一括対応は、交通事故被害者にとっては、通院の度に病院の窓口で支払いをする必要がないので便利です。
ただ、医師はとしては、治療費などを保険会社に請求するために自賠責用の用紙を使って診断書やレセプトを作成しなければなりませんので、通常の患者とは異なる手続が必要となります。

また、治療費などの一括対応がなされている場合、治療状況について保険会社から度々医師に対して照会がありますので、その対応もする必要があります。これも通常の患者の場合にはありません。

この対応を面倒に思い、態度に出てしまう医師がいるようです。

(2) 後遺障害等級認定申請に関する対応が面倒

交通事故被害者が症状固定となり、後遺障害等級認定申請をするとなった場合、医師は後遺障害診断書の作成を依頼されます。
また、後遺障害等級認定申請後に、自賠責損害調査事務所から医師に医療照会がなされ、回答を求められることが度々あります。

さらに、交通事故被害者が後遺障害等級認定結果に対し異議申立をするとなった場合などに、交通事故被害者の代理人弁護士から意見書の作成や医療照会への回答を求められることもあります。

このような手間を嫌う医師もいるでしょう。

[参考記事]

交通事故の後遺障害診断書|書き方のポイント・記入例

(3) 訴訟への協力を求められるのが面倒

損害賠償額について相手方と折り合いがつかず、訴訟になるケースもあります。

そのような場合、医師は、交通事故被害者の代理人弁護士などから裁判所に提出する意見書の作成を依頼されたり、場合によっては裁判所から証人尋問をするので出廷して欲しいと求められることもあります。

2.交通事故後の病院はどのように選ぶべき?

では、交通事故被害者としては、どのように自分に合った病院を選んだらよいのでしょうか。

(1) 受傷内容が合致した病院

まず、受傷内容に合った病院を選ぶ必要があります。

交通事故の場合、受傷内容が整形外科の分野であることが多く、整形外科にご通院される方が多いと思いますが、中には、かかりつけ医だから、近所だから、といった理由で、整形外科のない病院にご通院されているケースもあります。

もちろん、その病院で適切な診断・治療をしてもらえるのであればよいのですが、そうならない可能性もあります。

お近くに通える病院が少ないという方もいらっしゃるとは思いますが、できるかぎり受傷した分野の専門の医師に診てもらうようにしましょう。

(2) 事前に情報収集する

次に、通院しようとする病院について情報収集をすることが大切です。
家族や友人が通院したことがある病院であれば、病院の雰囲気や医師の人柄などを教えてもらうとよいでしょう。

また、最近ではインターネットに病院の口コミ情報が掲載されていることも少なくありません。こうした口コミ情報をみてみるのも一つの方法です。

その際、一番参考になるのは、交通事故で受傷して通院された方の口コミだと思われます。

3.転院をすることによるデメリット

ご通院している病院がご自身に合わなかったり、主治医に疑問を感じたりした場合には、転院をすることも検討しましょう。

同じ病院にずっと通院しなければならないという決まりはありません。合わない病院にご通院しているというだけでストレスになりますし、病院を変えることによってよい結果につながることもあります。

ただ、転院することはメリットだけではありません。転院することのデメリット・リスクとして、以下のようなことが考えられます。

  • 相手方保険会社から治療費の打ち切りを宣告される
  • 後遺障害診断書の作成を断られてしまう可能性がある
  • 転院先の病院も合わない可能性がある

(1) 治療費の打ち切り

まず、転院の時期によっては、そのタイミングで相手方保険会社から治療費などの支払いを打ち切られてしまう可能性があります。

事故から日が浅い時期の転院であればそのような可能性はさほど高くないと思われますが、事故からそれなりの期間が経過している場合は要注意です。
転院をしたい旨を相手方保険会社に伝えると、症状固定による治療終了を促されたり、一方的に治療費などの一括対応を打ち切られたりしてしまうこともあります。

[参考記事]

むち打ちで「治療打ち切り」を告げられた時の対処法

(2) 後遺障害診断書の作成

転院後、あまり通院せずにすぐに症状固定となった場合、転院先の医師に後遺障害診断書の作成を断られてしまう可能性があります。

転院は思い立った時点で、なるべく早く行うに越したことはないでしょう。

(3) 転院先の病院も合わない可能性

さらに、転院先の病院がご自身にとって良い病院かどうかは、転院の時点では分かりません。転院先の病院も合わないという場合もありえます。

その場合、さらに転院をすることも検討することになると思われますが、病院を転々とすることは決して好ましいこととは言えません。

このように、転院にはメリットだけでなくデメリットやリスクもありますので、十分検討のうえ判断する必要があります。

4.まとめ

本コラムでは、交通事故で受傷した場合にどのように病院を選んだらよいのか、通院している病院や主治医に疑問を感じたらどうすべきか、といった点につきご紹介いたしました。

通院する病院が交通事故被害者に対して親身になって診てくれるか・そうでないかは、怪我の治療にも、その後の示談交渉にも影響してきます。病院選びや転院の判断は慎重に行いましょう。

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