後遺障害 [公開日]2018年7月3日[更新日]2021年4月8日

後遺障害に強い弁護士に依頼するメリット・弁護士費用

交通事故の怪我が治らず後遺症が残ってしまった場合、「後遺障害認定」を受けることにより、傷害とは別に「後遺障害が残ったこと」についての損害賠償金(後遺障害慰謝料・逸失利益)を加害者側に支払ってもらえます。

「後遺障害認定」の認定機関は、加害者の保険会社ではなく、損害保険料率算出機構に属する自賠責損害調査事務所です。
ここに、後遺障害を認めてもらうための「後遺障害診断書」を始めとした様々な書類を送付し、審査をしてもらうことになります。

この後遺障害認定を受けるには、交通事故に精通した弁護士にサポートを依頼することをお勧めします。

ここでは、後遺障害に強い弁護士にサポートを依頼するメリットなどについて解説していきます。

1.後遺障害認定の仕組み

交通事故での怪我が完治せず、痛みや痺れ、可動域の制限などの後遺症が残ってしまうことは多いです。

このような後遺症が残った場合には、交通事故の「後遺障害」であると認定機関に認定してもらうことで、後遺障害を負ったことについての賠償金(後遺障害慰謝料・逸失利益など)を加害者側に請求できるようになります。

  • 後遺障害慰謝料…後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料
  • 逸失利益…後遺障害が残ったことによって労働能力が低下し、本来得られたはずが得られなくなる将来の収入や利益

後遺障害等級認定は、原則として「書面審査」のみで行われます。
この認定が受けられない(非該当となる)と、後遺障害に関する賠償金は一円も受け取ることができません。また、1級~14級まで用意されているどの等級に当てはまるかで、賠償金の額は大きく変わってきます(1級が最も重い後遺障害です)。

[参考記事]

後遺障害等級とは?認定機関による認定方法とその流れ

認定申請の方法には、加害者の加入している任意保険会社に申請してもらう「事前認定」と、被害者が直接申請する「被害者請求」の2種類があります。

被害者請求を選べば、被害者側に有利になるよう十分な書類を揃えて認定申請ができるほか、任意保険会社との示談成立前に自賠責分の保険金を受け取れるというメリットがあります。

事前認定では、どんな書類が送られているかわからないことから、希望通りの等級で認定されなかったり、そもそも非該当になってしまったりするケースが多いので、後遺障害の等級認定は被害者請求でするべきと言えるでしょう。

しかし、被害者の方が一人で被害者請求の準備を行い、申請することは困難ですので、弁護士に依頼してサポートを受けることが大事です。

[参考記事]

被害者請求はどのように行うのか?開始の手順と準備するべき書類

2.後遺障害認定を弁護士に任せるべき理由

では、適切な等級の後遺障害認定を受けるために、弁護士はどのようなサポートをしてくれるのでしょうか。

(1) 後遺障害診断書の内容を確認してくれる

後遺障害で適正な等級に認定されるためには、特に医師が作成する「後遺障害診断書」が重要になります。

後遺障害診断書は、自賠法で定められた様式で作成しなければなりません。
しかし、後遺障害診断書を書いたことがない医師も多数います。医師の仕事は治療を行うことで、後遺障害の認定申請は医師にとってそもそも専門外のことなのです。

後遺障害診断書の作成に際しては、被害者から医師に対して積極的に希望を伝えないといけないケースがどうしても多くなります。
しかし、患者の立場である被害者が、後遺障害の認定基準を把握した上で、医師に対して適切な記載を要請するというのは、かなり高いハードルです。

こうしたことから、後遺障害診断書のチェックについては、交通事故に詳しい弁護士に依頼するのがお勧めです。

交通事故案件を多く扱っている、医学的知識にも長けた弁護士であれば、後遺障害診断書の適切な記載方法を医師に説明することができます。
診断書の記載内容に不備があった場合にも、弁護士が追記等の要請をすることで、比較的認定されやすい後遺障害診断書を用意することができます。

[参考記事]

交通事故の後遺障害診断書|書き方のポイント・記入例

【医師に診断書作成を拒否された場合にも弁護士に相談】
交通事故により日常生活に支障が出るような後遺症が残っている場合でも、医師が後遺障害診断書を書いてくれなければ、後遺障害認定申請ができません。
医師に診断書作成を拒否された場合にも、弁護士に相談するのがおすすめです。交通事故の実績が豊富な弁護士に任せれば、医師を説得するなどの対策をとってもらうことができます。
参考:医師が後遺障害診断書を書いてくれない場合の対応策

(2) その他の必要書類の収集や記載をサポート

被害者請求で必要な書類は後遺障害診断書のみではありません。
支払い請求書兼支払い指図書・交通事故証明書・診断書、診療報酬明細書・レントゲン・MRIなどの画像など、その種類は多岐に渡ります。

[参考記事]

被害者請求(後遺障害申請)で必要となる書類

これらの書類を被害者一人で取り寄せたり、記入したりするのは大変です。
被害者請求では、弁護士にそれらの書類の収集や記入を手伝ってもらうことが効率的でしょう。

後遺障害診断書、印鑑証明書、レントゲン画像資料などは、被害者の方に取り付けをお願いすることもあります。しかし、弁護士に依頼をすることで、全ての書類を被害者自身で集める必要はなくなるのです。

(3) 後遺障害慰謝料の算定でも金額が上がる可能性

先程簡単に述べましたが、後遺障害は、1級~14級まで用意されているどの等級に当てはまるかで、賠償金の額が大きく変わります。当てはまらなければ、非該当であり、基本的に後遺障害慰謝料など後遺障害に起因した損害賠償請求をすることが出来ません。

後遺障害慰謝料では等級ごとに決められた慰謝料表があり、後遺障害逸失利益では計算に用いる労働能力喪失率が等級ごとに異なります。

しかし、等級さえ決まれば慰謝料や逸失利益は一律で定められるかと言えば、そんなことはありません。
慰謝料についての計算方法や基準表には3つの種類があり、どの基準を用いるかで認められる慰謝料額が大きく変わってしまいます。

  • 自賠責基準:自賠責保険が規定する基準であり、被害者が受け取れる最低限の金額。
  • 任意保険会社基準:任意保険会社が独自に定めている基準。通常は自賠責基準よりは高く・弁護士基準よりもかなり低く設定されている。
  • 弁護士基準:実際の裁判で使用されている基準で、先に紹介した2つの基準より大幅に金額が上がる。

示談交渉では、任意保険会社は通常任意保険会社基準で算出した金額を提示してきます。
しかし、弁護士基準を当てはめて賠償金を計算すると、当初の提示よりも慰謝料等の損害賠償額が2倍、3倍になることもあります。

弁護士基準を保険会社に採用させるには、弁護士に依頼する必要があります。
(被害者自身が弁護士基準を主張しても、「これが適正な基準です」などと突っ撥ねられてしまうでしょう)。

このように、後遺障害認定後の示談交渉における慰謝料算出でも、弁護士に依頼をしていることで被害者は大きなメリットを受けられます。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

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3.後遺障害認定に関する弁護士費用

被害者請求をはじめ、交通事故の案件の解決を弁護士に依頼すると弁護士費用がかかります。

弁護士費用の詳細は弁護士事務所によって異なりますが、その多くは報酬金について【「経済的利益」の何%】という決め方をします(事務所によっては、相談料・着手金等が別途かかります)。
「経済的利益」とは、弁護士が介入することによって得られた利益のことです。

泉総合法律事務所は、固定報酬0円、報酬金は示談金獲得金額の11%(ただし、最低金額は11万円)です(税込)。
例えば、弁護士に依頼したことで受け取れる賠償金が300万円増額した場合、当事務所にお支払い頂く報酬金は33万円になります。

後遺障害の等級のついた多くの事案では、弁護士に依頼することで示談金(慰謝料)の大きな増額が望めるので、弁護士費用がかかったとしても弁護士依頼をするメリットは大きいでしょう。

[参考記事]

安くするには?交通事故の弁護士費用相場と費用倒れになるパターン

なお、ご自身が加入している保険に弁護士費用特約を付帯している場合、弁護士費用は保険で賄われます。

[参考記事]

弁護士費用特約とは?|誰が、いつ、どんなことを補償されるか

4.まとめ

後遺障害認定を受けやすくするためには、後遺障害診断書の自覚症状の記載方法に注意したり、記載漏れがないように確認したりすることが欠かせません。
後遺障害認定のサポートには、医学的知識が不可欠なのです。

後遺障害認定についての実績豊富な弁護士に依頼をすることで、結果的に認定される等級が上がり、損害賠償額が大きく増額される可能性があります。

[解決事例]

後遺障害14級の神経症状から、異議申立にて12級の可動域制限が認められた

後遺障害認定を受けたいけれど、申請について不安が残るなら、是非泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

当事務所では、交通事故に特化した弁護士が最後まで責任をもって後遺障害認定をサポートいたします。

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