後遺障害 [公開日]2018年4月26日[更新日]2018年9月4日

網膜裂孔(もうまくれっこう)とは?交通事故の後遺障害

網膜裂孔(もうまくれっこう)とは?交通事故の後遺障害

交通事故で怪我をする場所といえば、一般的に手足や頭部、首などが多いです。

しかし、交通事故が原因で、目に障害を負ってしまうこともあります。

今回は、目に関する後遺障害の中でも、網膜裂孔になった場合に気を付けなければならないこと、網膜裂孔による損害賠償が難しい理由を解説いたします。

1.そもそも網膜裂孔とは

よく、眼の機能をカメラに例えることがあります。

カメラに置き換えて説明すると、網膜はフィルムの役割を果たしているといわれています。

他にも、レンズやピント合わせを担当するのが角膜と水晶体、シャッターの役割を果たすのが瞳孔、絞りの役割を果たすので虹彩と呼ばれるものがあります。

網膜裂孔とは、この網膜に亀裂や穴などが生じることです。

網膜裂孔になると、前述のカメラの例でいえば、歪んだり破れたりしたフィルムで写真をとるようなもので、視野や視力に悪影響が現れます。

さらに網膜裂孔によって網膜がはがれて、その部分が光を感じなくなった状態を網膜剥離といいます。

網膜裂孔は、網膜剥離の原因となるといわれています。

網膜裂孔を放置しておくと、隙間に水分が入り込み、網膜がはがれてしまうことがあるからです。

2.網膜裂孔が生じる原因について

網膜裂孔は、事故による外傷によって発生することもありますが、それ以外にも老齢化に伴って発生したり、強度の近視や激しいスポーツなどをする場合にも発生したりします。

通常、眼球の内部は、硝子体という無色透明のゼリー状の組織で満たされています。

網膜は、そのガラス体の表面と接していて、加齢によって硝子体が液体に変化し、その容積が減ってくることがあります。

硝子体の液化によって硝子体と網膜の間に隙間ができたり、硝子体が眼球内で動きやすくなったことで硝子体の動きで網膜が引っ張られて破れてしまったりすることがあります。

このようにして網膜裂孔となることがあるのです

また、若年者であっても網膜裂孔が発生することがあります。

例えば、強度の近視の場合、眼球の長さが通常よりも長いため、眼球の壁も薄くなり、網膜もそれに伴って薄く変位した部位ができることがあります。

このような薄い網膜が委縮して裂孔ができることがあります。

このメカニズムによる網膜裂孔は、若い人に多くみられるといわれています。

他には、激しいスポーツなどでの眼球打撲を受けると、急激に眼球が変化して、それに伴って網膜裂孔が生じることもあります。

そのため、網膜裂孔とは、交通事故のような外圧によって生じるとは限らないのです。

3.交通事故と網膜裂孔について

交通事故における衝撃で網膜に裂孔が生じ、網膜剥離となり、最終的には失明に至るケースも考えられますが、その網膜剥離が事故による外圧で発生したのか、老齢によって既に裂孔が生じていたものが事故によって被害が大きくなったのか、因果関係を立証することが一般的に難しいといわれています。

実際に、交通事故に伴って網膜剥離となり、失明した場合には、その結果と事故による因果関係を証明するために医師の意見だけではなく、因果関係に関する法律上の意見が必要不可欠です。

仮に、両眼が失明した場合には後遺障害等級は一番重い1級相当となり、1眼が失明し他方の視力が0.02以下となった場合には2級となります。

1級の場合には、後遺症の慰謝料だけで2880万円、2級の場合でも2370万円が裁判基準と言われています。

実際には、このほかに、逸失利益などの損害が加わるため、総損害額はその何にも膨れ上がる可能性があります。

【参考】交通事故における後遺障害1級の慰謝料相場と逸失利益の計算

4.まとめ

泉総合法律事務所では、これまでに数多くの交通事故被害者の方からご相談いただき、解決させてきました。

その中で培われた実績や経験値、キャリアには絶対の自信がありますので、交通事故被害でお悩みの方は是非とも当事務所にご相談ください。

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