後遺障害 [公開日]2018年3月16日[更新日]2020年10月27日

椎間板ヘルニアが後遺障害12級に認定されるには?

交通事故で首や腰に強い衝撃が加わった場合、椎間板ヘルニアが発生することがあります。

椎間板ヘルニアが治療によっても完治せず、何らかの神経症状が残ってしまった場合には、後遺障害等級の認定が受けられる可能性があります。

椎間板ヘルニアによる後遺障害で認定される等級は、最高で12級です。
では、どのような場合に後遺障害12級が認定されるのでしょうか。

この記事では、交通事故で発生する椎間板ヘルニアについての一般的な知識や、椎間板ヘルニアによる後遺障害等級認定などについて、詳しく解説します。

1.交通事故による椎間板ヘルニアについて

まずは、椎間板ヘルニアとはどのような傷病であるのかについて、基本的な知識を押さえておきましょう。

(1) 椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアは、骨と骨の間にある椎間板が変形して、中にある髄核が外に飛び出てしまい、背中にある神経が圧迫されることによって発生します。

椎間板の変形は、交通事故による首や腰への強い衝撃によって生じることがあります。

一方で、加齢などの別の原因によっても発生する可能性があるため、本当に交通事故によって椎間板ヘルニアが発生したのかどうか(因果関係の有無)が争点になることも多いです。

(2) 椎間板ヘルニアの種類・症状

交通事故で発生する可能性のある椎間板ヘルニアには、①頚椎椎間板ヘルニア②腰椎椎間板ヘルニアの2種類があります。

それぞれの症状などについて見ていきましょう。

①頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、頚部(首)の椎間板から飛び出た髄核が神経を圧迫することによって発生します。

自動車同士の事故において、運転者の首が前後に大きく振れ、むち打ち的な状態になった場合に、頚椎椎間板ヘルニアが発生しやすい傾向にあります。

頚椎椎間板ヘルニアを発症すると、首に痛みが生じるほか、腕・手・手の指などに痛みやしびれが発生することがあります。

②腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰部に発生する椎間板ヘルニアです。

車が横転するような激しい自動車事故や、自動車対二輪車の衝突事故などで、腰椎椎間板ヘルニアが発生しやすい傾向にあります。

腰椎椎間板ヘルニアを発症すると、腰部に痛みが生じるほか、脚や足の指に痛みやしびれが発生することがあります。

2.椎間板ヘルニアの治療方法・治療期間

椎間板ヘルニアの治療方法には、大きく分けて「保存療法」「手術療法」の2種類があります。

椎間板ヘルニアの多くは、数か月程度で自然に症状が軽くなると考えられていることから、当初は保存療法が選択されることが多くなっています。

一方、症状が長く続く場合や、痛みやしびれの程度が重く、日常生活や仕事に支障がある場合などには、手術療法への切り替えが検討されます。

保存療法・手術療法いずれの場合も、治療期間はおおむね6か月から1年程度かかることが多いようです。

頚部(首)・腰部それぞれの場合について、具体的な治療方法を解説します。

(1) 頚椎椎間板ヘルニアの場合の治療方法

頚椎椎間板ヘルニアを保存療法で治療する場合には、以下のような治療方法が取られます。

  • 頚部の牽引
  • ネックカラーなどの装具着用
  • 服薬
  • ブロック注射

一方、手術療法の場合は、変形した椎間板を取り除く手術を行ったうえで、装具の着用・服薬などを併用して経過観察を行います。

(2) 腰椎椎間板ヘルニアの場合の治療方法

腰椎椎間板ヘルニアを保存療法で治療する場合、以下のような治療方法が考えられます。

  • 腰部の牽引
  • コルセットの着用
  • 服薬
  • ブロック注射

手術療法の場合は、頚部の場合と同様に、変形した椎間板を取り除く手術の後、経過観察となります。

3.椎間板ヘルニアで認定される後遺障害等級・慰謝料

保存療法や手術療法による椎間板ヘルニアの治療を行っても、患部の症状が完全に消失しない(後遺症が残る)ケースがあります。

この場合、後遺障害等級の認定を受けることによって、加害者側から後遺障害慰謝料の支払いを受けることが可能です。

(1) 後遺障害等級は12級または14級

椎間板ヘルニアを原因とする後遺障害は、基本的には痛みやしびれなどの「神経症状」です。

神経症状について認定される可能性のある後遺障害等級は、12級または14級となっています。

後遺障害(神経症状)の内容 後遺障害等級
局部に頑固な神経症状を残すもの 12級
局部に神経症状を残すもの 14級

後で詳しく解説しますが、12級と14級の区別については、神経症状が「他覚的」である(他の人から見てもわかる)か、それとも「自覚的」なものにとどまる(自覚症状しかない)かによって判断されます。

なお、14級の認定については、単に被害者が自覚症状を訴えているというだけでは不十分で、神経症状の存在が医学的に説明できるという医師の意見が必要です。

後遺障害等級の認定に当たっては、医師による診断書の内容が重要になるため、医師と適切にコミュニケーションを取りながら申請の準備をすることが大切になります。
(詳しくは後述)

(2) 椎間板ヘルニアの後遺障害慰謝料の金額

椎間板ヘルニアの治療後に神経症状が残った場合、後遺障害等級に応じた慰謝料を受け取れます。

裁判例に基づく後遺障害慰謝料の目安を示す「弁護士基準」によると、後遺障害12級・14級の場合にそれぞれ認められる後遺障害慰謝料の金額は、以下のとおりです。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料(弁護士基準)
12級 290万円
14級 110万円

このように、12級・14級のいずれが認定されるかによって、後遺障害慰謝料の金額は3倍近く異なることが分かります。

なお、加害者側の任意保険会社との示談交渉の中で、弁護士基準による後遺障害慰謝料の支払いを受けるためには、弁護士に依頼して交渉を行うことがスムーズです。

任意保険会社は、被害者側に弁護士が付いていないケースでは、弁護士基準に比べて大幅に低い金額の後遺障害慰謝料を提示してくる場合があります(いわゆる「任意保険基準」)。

これに対して、被害者が弁護士に依頼した場合には、最終的に裁判になった場合に裁判例に基づく後遺障害慰謝料の支払いが命じられることが分かっているので、交渉の初期段階から弁護士基準をベースとした支払いに応じる可能性が高まるのです。

4.後遺障害12級に認定されるためのポイント

椎間板ヘルニアによる後遺障害について、より高額の後遺障害慰謝料が受け取れる後遺障害12級が認定されるためには、何が求められるのでしょうか。

以下では、後遺障害12級が認定されるためのポイントについて解説します。

(1) 画像所見による他覚症状の証明が必要

神経症状が後遺障害12級を認定されるためには、自賠責保険の運用上、画像上の異常所見の存在が必要とされています。

具体的には、主にMRIなどの画像検査において、椎間板の変形が残っていると確認できることが必要です。

一方、画像上の異常所見が確認できず、自覚症状のみにとどまる場合には、後遺障害14級が認定されるにとどまります。

(2) 「被害者請求」がおすすめ

画像上の異常所見が認められる場合であっても、治療経過や残存する障害の程度などが総合的に考慮されたうえで、後遺障害12級の認定が下りず、14級にとどまるという場合もあります。

そのため、画像上の異常所見が認められるというだけで安心するのではなく、申請時にできる限り充実した医学的な補足説明を行うことが大切です。

後遺障害等級認定の申請は、加害者が加入している自賠責保険の保険会社に対して行いますが、その際加害者側の任意保険会社に申請を任せる「事前認定」と、被害者自ら請求を行う「被害者請求」の2つの方法があります。

より高い後遺障害等級の認定を受けたい場合には、被害者請求の方法によることがおすすめです。

後遺障害等級認定の際には、担当者が疑問に思ったり、資料が不足していると考えたりしたポイントについて、追加での説明や資料の提出を求められる可能性があります。

その際、被害者請求の方法によれば、被害者主導で被害者に有利な説明や資料を追完することができます。

特に椎間板ヘルニアによる後遺障害について、後遺障害12級が認定されることのハードルは高く、かなり丁寧な医学的説明を求められるケースがあります。

よって、弁護士に相談しながら、後遺障害等級認定の申請に向けた対策を十分に講じることが重要です。

[参考記事]

被害者請求はどのように行うのか?開始の手順と準備するべき書類

5.交通事故で椎間板ヘルニアになったら弁護士に相談

交通事故で椎間板ヘルニアになってしまった場合は、後の損害賠償請求を円滑かつ適切に行うために、お早めに弁護士にご相談ください。

椎間板ヘルニアは、痛みやしびれなどの後遺障害が残るケースも多く、その場合は後遺障害等級認定の申請を行う必要があります。

後遺障害等級の認定は、後遺障害慰謝料の金額に大きく影響しますので、弁護士のサポートを受けて適切な証拠資料を集めることが大切です。

また、弁護士を伴って加害者側の保険会社と示談交渉を行うことにより、被害者に有利な弁護士基準をベースとした後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。

さらに、交通事故で心身ともに負担が大きくかかっている状況では、加害者側との示談交渉を弁護士に任せることで、少しでも心労を減らすことができるでしょう。

交通事故による椎間板ヘルニアの症状にお悩みの方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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