後遺障害 [公開日]2018年3月6日[更新日]2020年9月30日

交通事故で骨折!慰謝料はいくらもらえる?後遺障害の等級も解説

骨折

交通事故の被害で多い怪我といえば、骨折です。

一言に骨折といっても、骨にひびが入った軽度のものから、後遺症を残してしまう骨折までさまざまです。

怪我の程度だけでなく、骨折の種類も慰謝料の額に反映されます。

そこで、今回は、交通事故と骨折について解説します。また、骨折による後遺障害等級の目安や慰謝料増額のポイントもお伝えします。

1.交通事故で骨折しやすい部位

交通事故において特に骨折しやすい部位が、鎖骨、腕、肘、大腿骨、足の関節といわれています。

鎖骨は、衝撃に弱い骨であり、肩周りで骨折する部位は多くの場合この鎖骨です。

腕や肘の骨折は、歩行中に交通事故に遭った場合にみられ、車との接触で転倒することにより起こることが多いといわれています。

大腿骨も同様に強い衝撃が加えられたことにより骨折しやすい部位です。足の関節も転倒したときにズレが生じてしまうことがあり、同時に靭帯を損傷することがあります。

病院では、鎖骨骨折、上腕骨近位端骨折・上腕骨骨幹部骨折、肘頭骨折、大腿骨幹部骨折、足関節骨折というような診断をうけることが多いでしょう。

2.骨折で入通院したときに慰謝料はいくらもらえる?

次に、交通事故で骨折してしまった場合の入通院慰謝料について解説します。

入通院慰謝料とは、怪我をしたことでかかった治療費とは別に、怪我をして入通院をしなければならなくなった精神的苦痛に対する償い金のことです。

入通院慰謝料の計算方法には自賠責基準、任意保険会社基準、弁護士基準の3つがあり、自賠責基準、任意保険会社基準、弁護士基準の順に高額になります。

自賠責基準とは、国が最低限の補償を定めた自賠責保険の基準であり、任意保険基準は、各保険会社が独自に作成した保険会社社内における基準になります。

一方、弁護士基準とは、裁判例などを参考に作成された基準であり、裁判でも用いられるため裁判基準とも呼ばれています。

そこで、自賠責基準と弁護士基準とで入通院慰謝料を比較してみましょう。

(1) 自賠責基準の入通院慰謝料の相場

自賠責基準における入通院慰謝料の額は、以下の計算によります(2020年4月1日以降の事故の場合)。

4,300円×【実通院日数×2】と【入通院期間】いずれか少ない方

入通院期間は、事故発生日から症状固定か完治した日までの日数を指します。

また、実通院日数とは、実際に入院した日数と通院した日数を合わせた日数となります。

例えば、骨折で1ヶ月入院し、週2回3ヶ月間通院した場合は、実通院日数は、入院:30日+通院:24日(週2回×4週×3ヶ月)で合計54日となり、2倍しても実治療期間30日×4ヶ月の120日より少ないため、4,300円×108日で入通院慰謝料は464,400円となります。

(2) 弁護士基準の入通院慰謝料の相場

対して、入通院慰謝料の弁護士基準は、以下のチャートから計算することになります。

他覚所見のないむち打、軽い打撲・軽い挫創などは、別表Ⅱを用い、その他の傷害については、別表Ⅰを用います。

赤本別表Ⅰ

「赤い本」別表Ⅱ

例えば、骨折で1ヶ月入院、3ヶ月通院した場合は、別表1の入院の1月の行と通院の3月の列が交わる「115」万円が入通院慰謝料の額となります。

自賠責基準と弁護士基準では、大きく金額が変わることにお気付きだと思います。

もっとも、実際に被害者が骨折したケースでは、自賠責基準で挙げた事例より通院日数が少ないかもしれません。そうした場合には、保険会社の次のような主張に注意をしなければなりません。

(3) 骨折で通院日数が少ない場合の入通院慰謝料

骨折の場合は、ギプスで患部を固定後、骨が癒合するまで通院の必要もあまりなく自宅療養せざるを得ない被害者が多数いらっしゃいます。

こういったケースでは、医師の方針に従った治療をしても、通院日数が少ないことを理由に、保険会社から慰謝料の減額を主張されることがあります。

もし、交通事故で骨折になり、こういった事情から保険会社の提示する入通院慰謝料に疑問がある・納得がいかないといった場合には、是非、弁護士にご相談ください。交渉により金額が上がる可能性があります。

3.後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の相場

次に、骨折後の後遺症について症状ごとの障害別等級と後遺障害慰謝料について解説いたします。

(1) 後遺障害等級とは

「交通事故による骨折よって後遺症が残ってしまった」という場合には、後遺障害等級の認定を受けることによって、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料の請求が可能になります。

後遺障害認定における等級は、1級から14級まであり、要介護に関する規定と合わせると全部で16段階の等級があります。

(2) 骨折の後遺障害別等級

後遺障害認定において、骨折の後遺障害は、主に5つの障害にわけることができます。

そして、障害の重さに応じて等級が変わります。

以下で、骨折についての主な5つの障害をみていきましょう。

①機能障害

骨折における機能障害とは、上肢あるいは下肢の関節が用廃している状態、可動域に制限が出ている状態を指します。

簡単にいうと、身体のどこかの骨が骨折してしまい、治療後も運動機能に障害が出ているような状態、関節をしっかり曲げられなくなった状態です。

この骨折による機能障害については、症状の重さに応じて1級、5級、6級、8級、10級、12級の等級認定を受けることができます。

②神経障害

神経障害は、治療後も、骨折部分が頻繁に痛む、動かすたびに痛い、触れた感覚が弱いといった症状が残ってしまった状態を指します。

神経障害では、12級、14級の級認定をうけることができます。

関節そのものに異常はないものの、外形上の損傷が画像で確認できる場合は12級、外形上損傷していることが画像で確認できない場合は14級となります。

③欠損障害

欠損障害は、足や腕を切断しなければいけなくなった場合など、上肢や下肢の一部、あるいは全部を失った状態を指します。

欠損障害では、1級、2級、4級、5級、7級の等級認定を受けることができます。

④短縮障害

短縮障害とは、足の長さが短くなってしまった状態を指します。

骨盤の下部から足首の長さを測り、骨折していない足と比較することで短縮があるかを判断します。

短縮障害では、8級、10級、13級などが認定されますが、8級では5cm以上の短縮、10級では3cm以上の短縮、13級では1cm以上の短縮がなければ認定されません。

⑤変形障害

最後に、変形障害です。変形障害とは、骨折によって関節などに変形を残してしまった状態を指します。

偽関節や長管骨に癒合不全がある状態です。交通事故の衝撃により、頸椎や腰椎などが骨折し変形が残ってしまうことが代表例です。

変形障害については、7級、8級、12級の認定があります。

このように、交通事故で骨折していまい、後遺障害が残ってしまった場合には、それぞれの症状・障害の重さ等から等級認定が行われることになるのです。

(3) 骨折の後遺障害で慰謝料はいくらもらえる?

後遺障害慰謝料とは、後遺障害認定を受けたことにより支払われる慰謝料のことを指します。

後遺障害認定では、認定された等級に応じて慰謝料の金額相場が決められています。等級に応じた後遺障害慰謝料の相場は下表の通りです。

後遺障害等級 後遺障害慰謝料
自賠責基準
(2020年4月1日以降の事故の場合)
裁判基準
1級 1,150万円 2,800万円
2級 998万円 2,370万円
3級 861万円 1,990万円
4級 737万円 1,670万円
5級 618万円 1,400万円
6級 512万円 1,180万円
7級 419万円 1,000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

(4) 骨折による後遺傷害逸失利益

また、後遺障害等級認定を受けた場合は、逸失利益を請求することも可能です。

事故の影響で働くことができなくなった、働ける職種に制限が出たといった場合は、将来にわたって収入が減ってしまいます。逸失利益とはこのように、事故がなければ得られたであろう収入を請求するものです。

逸失利益の計算方法は、「基礎収入×後遺障害による労働能力の喪失率×ライプニッツ係数」によって算出するのが一般的です。

労働能力の喪失率は、後遺障害等級ごとに定められており、ラプニッツ係数は中間利息を控除するために用います。

これらの損害費目を請求するためにも、後遺症が残ってしまった場合には、適正な認定を受けることが大切です。

[参考記事]

後遺障害・死亡事故の逸失利益の計算例|もらえない原因を解説

4.骨折で慰謝料を増額するためのポイントとは?

最後に、交通事故によって骨折してしまった場合に、慰謝料を増額するためのいくつかポイントを押さえておきましょう。

(1) 事故後適切な検査を受ける

まず、事故直後にCTやMRI検査など適切な検査を受けることです。

交通事故の怪我の検査は、レントゲンだけで済ませてしまうことが多いのですが、最初に骨折の状態をしっかり確認することで、のちに後遺症である痛みや感覚障害などの原因が明らかになります。

また、必要に応じて、神経伝達速度検査・筋電図検査も受けてください。

(2) 医師に診断書を作成してもらう

次に、医師に診断書を作成してもらいましょう。
後遺症になりえる事情についてもきちんと記載してもらうことがポイントです。

事故による怪我の状態だけでなく、初期段階から考えられる後遺症についても記述をしてもらうことで、のちに後遺症が出た場合に事故との因果関係を証明しやすくなります。

(3) 事故後早めに弁護士に相談する

そして、できるだけ早い段階で弁護士に相談することです。

慰謝料を弁護士基準で請求し、大幅にアップさせるためには弁護士に相談することが不可欠なのです。慰謝料額では、数十万単位でアップすることもあります。

また、適正な後遺障害認定の等級認定を受けるためには、正確な法律・医学知識に基づき、申請資料を揃える必要があります。

専門的知識を使って、適正な後遺障害認定等級を得るためにも、弁護士に相談・依頼することにはメリットがあります。

交通事故の慰謝料は、弁護士基準の計算で大きく増額!

[参考記事]

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5.交通事故で骨折被害は弁護士にご相談を

交通事故の被害に遭うと、治療費がかかるだけでなく、肉体的にも精神的にも大きな負担を背負うことになります。

この負担を加害者に請求することで、少しでも負担を軽減することができるはずです。

骨折の場合は、完治せずに症状固定となって後遺症が残ってしまうことも多くあります。適正な後遺障害認定をうけることで正当な慰謝料を受け取りましょう。

弁護士にご相談いただければ、弁護士基準で慰謝料額の見積もりを行いますので、慰謝料の大幅アップも期待できます。
面倒な保険会社との交渉もお任せください。

交通事故で骨折被害に遭われた方は、交通事故の解決実績が豊富な泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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