ニュースになる交通事故、ならない交通事故の違いとは?
テレビの報道番組や新聞を見れば、毎日のように交通事故のニュースが取り上げられています。
しかし、平成30年の交通事故発生件数は約43万件です。全ての交通事故がニュースになっているわけではありません。
似たような交通事故であっても、テレビで報道されたり、新聞に載ったり、そもそもニュースにならないケースもあります。
では、ニュースになる事故とニュースにならない事故の違いとは、一体何なのでしょうか?報道される基準というものはあるのでしょうか?
1.日本新聞協会による基準
少し古いデータですが、1966年、日本新聞協会にある新聞整理研究会は、ニュースの尺度について8つの項目を挙げました。
以下のいずれかを満たす事件にはニュースバリューがあるので、ニュースとして取り上げられやすいようです。
- 新奇性
ニュースには情報の鮮度が求められます。目新しいことや珍しいことは人の興味を惹くことから、ニュースとして取り上げられやすくなります。- 人間性
人間味や人情味がある事件は人の感情に訴えるため、ニュースとして取り上げられる価値が高くなります(一般人が善意で人助けをした・特定の犯罪者等の非道、悪辣な人間性を取り上げるなど)。- 普遍性
極めて多くの人に共通する事柄や、多くの人が興味を持つ事柄に関する内容は、ニュースになりやすいです(食や健康に関わるものなど)。- 社会性
社会や公共の役に立つかどうかも、ニュースになるか否かの判断基準です。簡単な例で言えば、「現在電車が運休しています」というニュースなどです。- 影響性
政治や天候、食品の安全性にまつわるなど、社会的に影響が大きいと思われる事柄はニュースになりやすいです。- 記録性
スポーツで新記録が更新されたニュースや、記録的な災害など、記録すべき価値があるかどうかは、ニュースになるかならないかの大きな判断材料の1つです。- 国際性
ある国が経済破綻寸前になった、政策が変わった、戦争が起きたなどのニュースを目にする機会も多いでしょう。また、日本とは比べ物にならない規模の海外の渋滞など、交通事情を伝えるニュースも報道されています。- 地域性
交通事故という観点から言えば、全国的なニュースにはならない比較的規模の小さな事故であっても、地元では報道されることがあります。
2.その他の要素
ここまでは、新聞整理研究会がまとめた項目を紹介してきましたが、ここからは他にニュースになる要素をピックアップして紹介します。
(1) 警察発表がある
ニュースの元になる事故や事件は、基本的に警察の広報を通して記者クラブに伝えられます。
マスコミは警察発表に基づいて情報を集め、ニュースバリューがあると判断したものを報道します。
特に犯罪の捜査に関しては、ドラマやマンガのように記者が自分で犯罪捜査をすることはほとんどないと言っていいでしょう。
交通事故の報道については、警察から発表された内容を元にした報道が大半です。よって、警察発表がない交通事故は、報道されない可能性が高いでしょう。
(2) 他に大きなニュースがない
交通事故と同時期にさらに大きな事件がある場合は、ニュースにならないことがあります。
多少大きな交通事故や死亡事故であっても、他の地域で歴史に残るような大災害があればそちらが報道されるでしょう。
何を優先的に報道して何を報道しないかは、報道する側の裁量です。
報道する記者の人員、取材のための時間、テレビであれば報道する時間、新聞であれば紙面の都合などが絡んでくるので、よりニュースバリューがある方に報道のリソースが割かれるのです。
(3) 他の大きなニュースと類似性がある
「最近高齢者の自動車事故が多い気がする」「特定の病気の人による交通事故が多いな」「あおり運転の報道が増えたな」などと感じた時期があった人も多いのではないでしょうか?
それは気のせいではなく、実際にそういった報道が多かったからだと思われます。
例えば、飲酒運転によって痛ましい事故が起きてそれが大々的に報道された後は、他の飲酒運転による事故が報道されやすい傾向があります。
また、あおり運転による交通トラブルで死亡者が出た後は、あおり運転に関する報道が増えるようです。
以前から似たような交通事故や交通トラブルがあったにも関わらず、報道が少ないケースは存在します。
しかし、そのなかの1つが注目された途端、類似の他の事件や事故にまでスポットが当てられて報道されることがあるようです。
3.交通事故被害者の方は弁護士へ相談を
交通事故がニュースとして取り上げられるか否かは、事故の話題性やニュースバリュー、タイミング等が複雑に絡み合います。
ニュースにするかどうか、ニュースにする場合はどのくらいの規模で報道するかなどは、最終的に報道する側の意図で決定されます。
もし交通事故に巻き込まれてしまったら、心労を防ぐためにも早急に解決することがおすすめです。
是非、お早めに弁護士にご相談ください。
弁護士は、被害者の方の精神的な負担を軽減できるだけでなく、正当な金額の賠償金を受け取るためのサポートを致します。
泉総合法律事務所の初回相談料は無料となっておりますので、交通事故被害者の方は、どうぞ安心して泉総合法律事務所の弁護士にご相談いただければと思います。