過失割合 [公開日]2018年3月22日[更新日]2021年6月15日

右直事故の過失割合|様々な事故パターンを表で解説!

右折車と直進車の事故、右折車同士の事故、右折車と追い越し直進車の事故など、右折車の絡む事故のパターンは多数あります。
特に、交差点で右折車と直進車の衝突事故(=右直事故)に遭ってしまった、右折者にぶつけられたという方は多いのではないでしょうか。

右直事故における過失割合は、信号機の有無、道路幅(優先道路)などの状況や、右折者・直進車の走行パターンなどにより大きく異なります。

今回は、これらの右直事故の過失割合について説明していきます。

なお、過失割合についての基本的な内容は、以下のコラムをご覧ください。

交通事故における過失相殺について|損害賠償に大きな影響

[参考記事]

交通事故における過失相殺とは何か?わかりやすく解説

1.交差点における右折車と直進車との事故

交差点における右折車と直進車との事故を「右直事故」と言います。

早速ですが、右直事故における基本過失割合は以下の表の通りです。

(1) 信号機のある交差点での事故

信号機のある交差点での事故については、交差点に進入する際の信号機の色がポイントになります。

事故様態 基本過失割合
直進車・右折車ともに青信号で進入した場合

直進車20%、右折車80%
直進車が黄信号で進入し、右折車が青信号で進入した後、黄信号で右折した場合

直進車70%、右折車30%
直進車・右折車ともに黄信号で進入した場合

直進車40%、右折車60%
直進車・右折車ともに赤信号で進入した場合

直進車50%、右折車50%
直進車が赤信号で進入し、右折車が青信号で進入した後、赤信号で右折した場合

直進車90%、右折車10%
直進車が赤信号で進入し、右折車が黄信号で進入した後、赤信号で右折した場合

直進車70%、右折車30%
直進車が赤信号で進入し、右折車が右折の青矢印信号で進入した場合

直進車100%、右折車0%

(2) 信号機のない交差点での事故

他方、信号機のない交差点での事故については、車両の位置関係、一時停止の規制の有無、道路の優先関係などがポイントになります。

事故様態 基本過失割合
対向車同士の事故

直進車20%、右折車80%
左または右方向から進入した場合(同じ幅の道路) 右折車が左方車である場合

直進車40%、右折車60%
右折車が右方車である場合

直進車30%、右折車70%
左または右方向から進入した場合(一方が明らかに広い道路) 右折車が狭い道路から広い道路に出る場合

直進車20%、右折車80%
右折車が広い道路から直進車の進入してきた狭い道路に入る場合

直進車60%、右折車40%
右折車が広い道路から直進車の向かう狭い道路に入る場合

直進車50%、右折車50%
左または右方向から進入した場合(一方に一時停止の規制がある場合) 右折車に一時停止の規制がある場合

直進車15%、右折車85%
直進車に一時停止の規制があり、右折車が左方車である場合

直進車70%、右折車30%
直進車に一時停止の規制があり、右折車が右方車である場合

直進車60%、右折車40%
左または右方向から進入した場合(一方が優先道路の交差点) 右折車が非優先道路から優先道路に出る場合

直進車10%、右折車90%
右折車が優先道路から直進車の進入してきた非優先道路に入る場合

直進車80%、右折車20%
右折車が優先道路から直進車の向かう非優先道路に入る場合

直進車70%、右折車30%

2.右折車と後続直進車との事故

右折車と後続直進車との事故では、まず追越禁止の場所であるか、右折車はあらかじめ中央に寄って右折することができる場所であるか、できるとして実際に中央に寄って右折したのかなどがポイントになります。

事故様態 基本過失割合
右折車と追越直進車との事故
(追越直進車が中央線ないし道路中央を超えている場合)
追越禁止のある交差点

追越直進車90%、右折車10%
追越禁止のない交差点

追越直進車50%、右折車50%
あらかじめ中央に寄らない右折車と後続直進車との事故
(後続直進車が中央線ないし道路中央を越えていない場合)
右折車が中央に寄るのに支障のない場合

後続直進車20%、右折車80%
右折車があらかじめ中央に寄っては右折できない場合

後続直進車40%、右折車60%

3.T字路交差点における事故

T字路交差点での事故における基本過失割合は、概ね信号機のない交差点での事故と変わりません。

事故様態 基本過失割合
直線路直進車と突き当り路右折車との事故 同じ幅の道路

直進車30%、右折車70%
一方が明らかに広い道

広い道路の直進車20%、狭い道路の右折車80%
一方に一時停止の規制あり

一時停止の規制のない直進車15%、一時停止の規制のある右折車85%
一方が優先道路

優先道路の直進車10%、非優先道路の右折車90%

4.道路外出入車と直進車との事故

道路外から道路に出たり、道路から道路外に入ったりするための右折車と直進車との事故では、基本的に、右折車に大きな過失が付くことになります。

事故様態 基本過失割合
道路外から道路に進入するため右折する場合

直進車20%、右折車80%
道路外に出るために右折する場合

直進車10%、右折車90%

5.過失割合の修正要素

最終的な過失割合を考える際には、まず、自分の直面した事故様態の基本過失割合を確認して、次に、各事故のパターン毎に記載された修正要素の確認をします。

修正要素としては、右折車の要素や直進者の要素がそれぞれあります。
右折車の要素としては「徐行なし」や「合図なし」の場合、直進者の要素としては「速度違反」などです。

ちなみに、もし修正要素に当たる事実の有無について、事故の当事者の間で争いが起きた場合には、原則として、修正により有利になる者が、その修正要素を証明しなければならないと考えられています。

過失割合がなかなか決まらない時の対処法については、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

交通事故の過失割合|もめる・ごねる相手に納得いかない場合の対処法

【車対バイクの右直事故の場合】
上記は車同士だけでなく、バイク(自動二輪車)同士の右直事故でも当てはまる過失割合です。しかし、事故の当事者が車対バイクだった場合、過失割合は異なってきます。
バイクは車よりも事故時の被害が大きくなりやすいため、車の方がより事故発生について注意すべきだと考えられています。よって、車同士の基本過失割合よりも、車対バイクの事故ではバイク側の過失割合が小さくなります。
例えば、信号のある交差点で、直進車・右折車ともに青信号で進入した場合の過失割合は、車同士ならば直進車20%:右折車80%です。これが、直進車がバイクだった場合、直進車(バイク)15%:右折車85%になります。また、バイクが自動車の左側をすり抜けようとした際に交差点を右折する対向自動車にぶつかってしまった場合には、バイク30%:自動車70%の基本過失割合となります。

6.まとめ

以上の通り、右直事故でも、そのパターンや状況に応じて基本過失割合は様々です。また、この基本過失割合は、具体的事情に応じて修正されることになっています。
実際には、上記のパターンに該当しない右直事故が発生する場合もあるでしょう。

過失割合の判定は個別具体的な状況に応じて行うものであり、専門的な知識や経験が極めて重要となります。
そして、過失割合によって、慰謝料を含めた損害賠償額が大きく変わってくる可能性があります。

右直事故に巻き込まれた被害者の方で相手保険会社と過失割合について揉めそうなときには、交通事故に強い泉総合法律事務所の弁護士に是非ともご相談ください。

ご相談は初回無料としておりますので、まずはお気軽にご連絡いただけたらと思います。

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